学生の方へ

研究室紹介

私たちの研究室では、自分たちで計画した脳計測実験をもとにグループと個人で研究活動を進める事ができます。脳活動の計測法は、侵襲的なものと無侵襲なものに大きく分けることができ、我々は脳磁界計測法(MEG)や磁気共鳴画像法(MRI)など無侵襲な手法を利用しています。また、神経科学(脳科学)は学際的な分野であるために、様々なバックグラウンドの知識が必要です。本研究室では、脳のメカニズムを深く学ぶことができ、それと関連した工学、生理学、心理学、計算理論などの分野にも関わることが出来ます。特に脳機能計測、脳情報解析、生体信号処理について研究したい方にとって、一番方向性の合う研究室であると言えます。

詳しくはこちらをご覧下さい。

研究会の授業時間においては、前半に関連する論文の発表や書籍の輪読を行い、後半に脳情報の計測手法や解析手法の講義を受けて、実際に実験で使用する感覚刺激の作成や解析を行ったり、グループ研究のディスカッションやグループ研究や個人研究の進捗状況の発表を行ったりします。聴講を希望される方は、随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい(brain[at]sfc.keio.ac.jp)。

研究環境

本研究室では、最先端を行く脳計測装置を扱って研究を行うことが可能です。例えば、外部機関の脳磁界計測法(MEG)・磁気共鳴画像法(MRI)を使用して研究しています(例: 東京電機大学総合研究所千葉共同利用施設 ,担当教員はMEGの保守管理担当者でした)。これらに学部生で触れられるのは、大きな特権であると言えます。

他大学・他学科・他研究室からの進学希望者へ

当研究室では,他大学・他学科・他研究室からの進学希望者を随時受け付けています.脳研究に興味があり進学を考えている方やご質問がある方は,お気軽にご相談下さい(brain[at]sfc.keio.ac.jp).

新規履修希望者へ

当研究室では、新規履修希望者を随時受け付けています。脳研究に興味があり、研究室に興味を持っている方は、お気軽にご相談下さい(brain[at]sfc.keio.ac.jp)。

研究会へ参加するためのステップ

研究会への参加をスムーズに進めるため、以下のステップで準備をお願いしています。ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご質問ください。

  1. 文献講読:

    まずは、脳波研究の基礎知識を深めるために、『脳波解析入門』をお読みください。特に、第1章、第2章、そして第4章の1・2節は、研究の基礎となる重要な部分です。可能であれば、第5章の1・2節にも目を通しておくと、より理解が深まります。

  2. ソフトウェアの準備:

    研究では、以下のソフトウェアを使用します。事前にインストールをお願いします。

    • MATLAB (2020b以降): 研究室でのデータ解析に必須のツールです。慶應義塾のライセンスで利用できますので、keio.jpにログイン後、「サービス」→「ソフトウェアライセンス取得システム」から入手してください。以下のツールボックスも合わせてインストールをお願いします。
      • Simulink
      • Bioinformatics Toolbox
      • Fixed-Point Designer
      • Parallel Computing Toolbox
      • Signal Processing Toolbox
      • Statistics and Machine Learning Toolbox
    • EEGLAB (アドバンスト): MATLAB上で動作する、脳波解析のための強力なツールボックスです。詳しい導入方法は『脳波解析入門』で解説されています。
    • MNE-Python (アドバンスト): Pythonベースの脳波・脳磁図解析ライブラリです。こちらも必要に応じてインストールしてください。
  3. 研究倫理教育の受講:

    研究を行う者として、研究倫理の遵守は不可欠です。以下の手順でeラーニングを受講し、修了証をメールでご提出ください。

    1. K-Supportにアクセスし、「Apps」メニューから「研究」→「研究倫理・コンプライアンス教育eラーニングアカウント申請」を選択します。
    2. 「APRIN eラーニングプログラム」の慶應義塾研究者コース(「理工系」を推奨)を受講します。
    3. 受講後、発行される修了証(PDF形式)を研究室のメールアドレスまで送付してください。

参考文献

以下の資料は初学者が脳について学んだり,研究を行ったりする上で参考になる文献です.必要によって参照して下さい.

  • Eric R. Kandel (著), John D. Koester (著), Sarah H. Mack (著), Steven A. Siegelbaum (著).Principles of Neural Science, Sixth Edition.McGraw Hill / Medical,2021,1696p.
  • 宮下保司(監),Eric R. Kandel(著),John D. Koester(著),Sarah H. Mack(著),Steven A. Siegelbaum(著).カンデル神経科学 第2版.メディカルサイエンスインターナショナル,2022,1700p.
  • マーク・F. ベアー(著),バリー・W. コノーズ(著),マイケル・A. パラディーソ(著),藤井聡(監訳).カラー版 ベアー コノーズ パラディーソ 神経科学 脳の探求 改訂版.西村書店,2021,788p.
  • Neil R. Carlson(著),Melissa A. Birkett(著),中村克樹(監修, 翻訳).カールソン神経科学テキスト ―脳と行動― 原書13版.丸善出版,2022,777p.
  • Mike X Cohen(著).Analyzing Neural Time Series Data: Theory and Practice.The MIT Press,2014,600p.
  • 開 一夫(編),金山範明(編),河内山隆紀(著),松本敦(著), 宮腰 誠(著).脳波解析入門 Windows10対応版: EEGLABとSPMを使いこなす.東京大学出版会,2020, 224p.
  • 宮内哲(著),星詳子(著),菅野巖(著),栗城眞也(著),徳野博信(編).脳のイメージング.2016, 256p.(ブレインサイエンス・レクチャー3).
  • 武田常広 (著),電子情報通信学会 (編).脳工学.コロナ社,2003,220p.(電子情報通信レクチャーシリーズ,D-24)
  • 原島広⾄.脳単.エヌ・ティー・エス,2005,162p.
  • Mark Lutz(著).Learning Python.Oreilly & Associates Inc,2013,1540p.
  • 高井信勝(著).MATLAB入門.工学社,2002,215p.