慶應義塾大学環境情報学部 青山敦研究室

研究活動

青山研究室では,脳情報の計測と数理解析の観点から,学生の興味に応じた下記の4つのグループに分かれて研究を推進しています(2017年度).今後,更にグループは増える予定です.

視・嗅覚研究班

嗅覚は,様々な匂いを嗅ぎ分け,周辺の環境を知覚する重要な感覚です.ところが,ヒトにおいては解剖学的 なレベルでも,知見は十分とは言えず,視覚と聴覚の連合処理に関する知見はあるものの,その他感覚との連合処理は未だに解明されていません.
そこで本研究班は,視覚と嗅覚の連合処理を解明することを目的として,色と匂いの一致/不一致条件による視 覚・嗅覚刺激を呈示した際の脳波をEEGにて計測し,計測したデータの事象関連電位(ERP)解析等を行うことによって視覚・嗅覚の連合処理について研究をしています.

キーワード: 異種感覚統合,嗅覚,視覚,ERP解析

音声研究班

「特定の音を想起しただけで自在に音を奏でる」ことを目指し,脳波情報を用いた想起音のデコーディングの基礎研究として,高音の想起と低音の想起をしている間の脳波を計測し解析することで,音の想起(auditory imagery)中の脳活動の特徴についての研究を行っています.
現時点では,基準として聴取した音から高い音/低い音をイメージ中の脳活動の特徴を比較し,特徴量を検討しています.

キーワード: 音の想起(auditory imagery),デコーディング,ERP解析

BMI (Brain Machine Interface) 研究班

昨今,ウェアラブルな脳計測機器の登場によって,脳活動を用いて他の機器を操作するBrain Machine Interface (BMI) への期待が高まっています.しかしその多くは介護などの医療分野への応用を目指しており,エンターテイメントへの応用に主眼を置いた研究は少ないです.
BMI研究班では,皮膚上の温度感覚のイメージをVirtual Reality (VR) 空間に反映させるゲームの作成を目的として,VRデバイスを用いた環境下での脳波の計測と,その脳波の特徴を基に弁別するシステム構築についての研究を行っています.

キーワード: Brain Machine(Computer) Interface,Virtual Reality,温度感覚,

メディア研究班

関心を持った領域を推定する行動評価の手法として,アイトラッカーによる視点の測定が広く利用されています.しかし,「視線を向けている領域」と「注意を向けている領域」は必ずしも一致せず,視線計測では計測できない注意領域を推定する手法の登場が待ち望まれています.
メディア研究班は,脳波情報の周波数タギングを用いて,ヒトが注意,関心を持っている視覚的領域を特定するための研究を行っています.

キーワード: 注意領域,周波数タギング,アイトラッキング